ある程度の年齢で
飯田深雪さんというお名前をご存知の方は
雑誌などで
テーブルセッティングの基本中の基本をご覧になられたことと思います
まだわたしが若かった頃
飯田深雪さんの第一門下生として
長く講師をしていらした方が
いなかに 越していらっしゃいました
そこで 今でいうサロン風のお料理教室を開き
わたしも ご紹介をいただいて
遠くまで通いました
先生は お料理と一緒に
テーブルリネンのお話しもしてくださいました
・テーブルリネンは 基本的に麻地のものを使うこと
・チェックの柄は 朝使う
・食器とリネンを同じ柄にするのが一番良い
もう この程度しか覚えていませんが
当時 ほとんどの方が知らなかったことを
たくさん教えていただきました
そして わたしは
テーブルリネンと刺繍から離れられなくなったのです
今では 大きな生地をかかえての刺繍はたいへんなので
ちいさなものしか刺しませんが
すてきな生地を見つけると
すぐに ランチョンマットやティーコゼーに仕上げたくなってしまいます
★★★
暖かくなってきて
ティーコゼー作りが ひと段落です
空いた時間を使って
今まで生地をためこんでいた 引き出しを引っ張り出しました
たくさんのテーブルクロスが出てきました
お料理の先生のお教え通り
大きめの麻地が手に入ると 必ずテーブルクロスに作っていました
ところが
麻のテーブルクロスは 世話がかかります
たたみジワや 洗った後のシワとの格闘です
この格闘がいやで
作ってはみたものの 麻のテーブルクロスは
引き出しの中にしまったままになっていました
今回 それらを引っ張り出したところ
薄い色のクロスには 「経年のシミ」が出ていたので
ためらいもなく捨てることにしました

シミがついていない濃い色のクロスが 数枚残りました
★★★
もう ずいぶん前のことになりますが
パリに刺繍の修行に行ったとき
ひとり暮らしのマダムのメゾンに下宿をしていました
それはそれは 広いお宅でした
浴室だけでも 8〜10畳くらいはありました
下宿の期間中 朝食だけ出していただきましたが
それは おしゃれなフランスとは ほど遠く
牛乳 ジュース類は 大きめのビンやパックのまま
テーブルに ドンと置かれ
パンは コンビニなどで売っている 5〜6個入りのロールパンなどの袋がそのまま出ていました
一番驚いたのは 紅茶です
ティーカップとティーバッグが用意されて
熱いお湯の入ったお鍋が 置かれていたのです
でも 飲み物もパンも たくさんの種類が出ていました
それが おフランスの普通の食卓なのか
もともとサービス精神のないフランス人だからなのかは わかりません
でも そんな食卓でも
毎朝 必ず テーブルクロスは敷いてありました
そして 食事を終え 刺繍学校に出かけ
お昼にもどると クロスは ちゃんと片づいていました
わたしたち日本人は 和室にいるとき
何も意識をしなくても お座布団を使います
それと同じように
彼らにとって 食事とテーブルクロスは一体となっているのでしょう
余計な思い出話しでしたが
テーブルクロスの出しっぱなしを防ぐには
手入れが楽なものを選ばなければなりません
日本で 多くのお宅では
クロスを敷いたままにしています
まだまだ クロスの上にビニールをかけているお宅もあります
でも わたしは
食事ごとに クロスを取り替えたい派です
毎回違う色や柄の食卓で ごはんをいただきたいですし
食事をしていない時は
テーブルの木の色を見ていたいのです
今では ポリエステエルの生地や撥水性の生地でも
たくさんの種類がありますから
ほぼ 趣味に合ったものを選ぶことができます
その中で
麻100%でアイロンがけが難しい
これらの生地を持ち続けていても
使うことがあるのだろうか・・・
少し悩むことにいたしましょう
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